みなさんこんにちは!!
今回は、バレエを踊る上で必須の「上体の引き上げ方」についてお話していきたいと思います。
あなたは先生に「もっと上体を引き上げて!!」と言われたことはありませんか?
でも、「上体を引き上げるって、具体的にどうすればいいの?」というご質問をよくいただきます。
そこで今回は、分かりやすいようにその「引き上げとは何か」「どうやって引き上げればいいのか」を説明していきます。
ぜひあなたも一緒にやってみてくださいね!!
★目次★
上体を引き上げるってどういうこと?
まずはこちらの動画を見てみてください↓
ロシア出身の有名なダンサー「ミハイル・バリシニコフ」さんです。
バリシニコフと一緒に踊っているのも素晴らしいダンサーなんですが、この2人をよく見比べて欲しいんです。
何か違いに気づきませんか?
‥‥
分かったあなたはスゴイ!!
「重心の使い方」
「軸のブレにくさ」
が圧倒的にバリシニコフの方が優れています。
これはなぜなんでしょう??
答えは、「上体をしっかりと引き上げられている」からなんですね。
そしてそれだけではなく、「上体と脚を切り離して」使えていることがポイントです。
これが出来ていることで、上体や腕の動きが激しく、複雑になったとしても、どれだけ音楽が早くなったとしても、下半身は別で高度かつ安定したテクニックをキープしつづけることができます。
ちなみに、バランシンなんかのように複雑かつアクロバティック要素もある振付やテクニックだと、この「引き上げ方」で大きく踊りが変わってきます。
そしてダンサー本人が踊りやすいだけでなく、観客側からしても「軽やか」「安定感がある」「見ていて安心感がある]
踊りになります。
バリシニコフはちょっとレベルが高すぎますが、バレエではいつも上体を引き上げて踊ることで、安定性があってかつ美しく躍ることができるんです。
回転も安定してたくさん回れる、ジャンプも高く軽やかに飛べる、脚への負担も軽減される、とまさにいいことづくしですね^^
どうやったら引き上げられるようになるの?
では、そんな引き上げができるようになるにはどうすればいいのでしょうか?
〜気をつけるポイント〜
- 足裏でしっかりと地面を踏みしめる
- お腹は最大限に引っ込める
- 肩と肩甲骨を下げて、両方の肩甲骨が交わる中心を上へ引っ張り上げる
- 頭を正しい位置にもっていく
これらができるようになると、体がフワッと軽くなり、まるで自分に羽が生えたような感覚が感じられます。
足裏でしっかりと地面を踏みしめる
上に引き上げるためには、まず下での重心がしっかりしていなければなりません。
足でしっかりと床を押して、地面にたっているその土台をまずしっかりさせます。
例えるとゴムのようなイメージです。
想像してみてください。
ゴムを伸ばすときは、両方から引っ張っりますよね。
片方だけ引っ張っても、緩んだままのゴムはいつまで経っても「ビヨーン」と伸びることはなく、ブラブラとぶら下がったままです。
バレエの引き上げでも同じ原理を使います。
まずは下へぐーっと下半身を引き延ばして安定させることで、上半身が上へ引き上がるのをサポートしてあげます。
そしてこの「ゴム状態」を身体で再現するには「足で地面をしっかりと踏みしめる、押す」ことが大切になってきます。
そこで足で床を押すために、2つのポイントを覚えていて欲しいです。
- 足指の筋力を強化する
- 脚の付け根を上下に伸ばし、「付け根から下は地面へ」「付け根から上は頭を突き抜けて上へ」
足指の筋力を強化する
足で床をしっかりと押すためには、まずは足裏で正しい重心を覚えましょう。
正しい重心は、「親指」「小指」「かかと」の3点で均等に重心がかけられている状態です。
親指側だけにかたよっていたり、かかと重心になって指に力が入っていなかったりしないように注意してくださいね。
そして、指でしっかりと床を踏ん張れる力が必要です。
最近の日本では女性80%、男性60%という大多数の人が「浮き指」という状態になっていると言われています。(NHK「ためしてガッテン」の調査より)
この記事を読んでいるあなたも「浮き指」になっているかも!?
(浮き指とその解消法についてはこちらに書いていますので、よかったら参考にしてください)
浮き指の状態では当然床を踏ん張ることはできません。
しっかりと足指の力を鍛えて、「床を押せる足」を作っていくことが最優先です。
鍛え方も「足指を鍛えよう!」の記事に書いていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
脚の付け根を上下に伸ばし、「付け根から下は地面へ」「付け根から上は頭を突き抜けて上へ」
床を押せる脚になるために、足の指強化と同じくらい大切なのがこの「脚の付け根の切り離し」です。
先ほどの「ゴムの原理」で上と下へ引っ張るとお話しましたが、この引っ張るときの中心点になるのがこの「脚の付け根」なんです。
なので、脚の付け根をぐっと切り離すようにしてやります。
これができるようになるにはやっぱり先ほどの「足でしっかり床を押すこと」。
これで下方向へ引き伸ばします。
そして同時に付け根から上は「お腹をひっこめて上へ」(気をつけるポイント2)腰ごと引き上げます。
これで上方向へ引き伸ばします。
お腹は、わからないうちは「お腹を背中にくっつける!」くらいの気持ちでお腹を引っ込めておきます。
そしてお腹を極限まで引っ込めることによって、背筋を伸ばしやすくなる感覚を覚えて、どんどんインナーマッスルを自動的に鍛え、(もちろん筋トレをプラスしてもOK)上に上に伸びる感覚を覚えていってください。
そしてさらに気をつけるポイント3の「肩と肩甲骨を下げて、両方の肩甲骨が交わる中心を上へ引っ張り上げる」ことによって、さらに上へと引き上げます。
こうすることで、上半身がより軽くなって、付け根部分が引っ張られ、余裕が出来ます。
ちなみに、こうやって付け根に余裕を持たせてあげると、脚の動きもスムーズになります。
脚を上げるときに「股関節が詰まっている」という感覚に陥ったことはありませんか?
股関節の可動域を広げるためには、この「付け根に余裕を持たせる」ことがコツなんです。
付け根に余裕があると、股関節の可動域が広がって自由に動きやすくなるので、脚も高く上げられるようになります。
なんてスバラシイ!!
頭を正しい位置にもっていく
「頭の正しい位置」って、どこなんでしょう?
わからないときは、以下の方法を試してみてください。
- 両耳を斜め後ろに引っ張るようにして顎を引く
- 鎖骨を立てる
最近はスマホやパソコンの影響で、「ストレートネック」なんていう言葉もあるように、首や頭の位置がずれている人がとっても多いです。
バレリーナでも同じ。
スマホを片手に動画で研究したり、こうやってバレエに関する記事を読んだり、ネットショッピングをしたりと、スマホを使う機会って本当に多いですよね。
でもそれが習慣づいてしまうせいで、バレエのときにも影響が出てしまいます。
スマホをやめろとはいいませんが、「常に頭の正しい位置」を意識して生活するとGOODです。
やり方は、ちょうど耳のしたに窪みがあると思いますが、その部分を斜め後ろに向かって引き上げるように顎を引きます。
ただ顎をひくだけでは「二重顎」になって首がガチガチになるだけなので、この「耳の下のくぼみを斜め後ろへ引き上げる」ことがポイントです。
すると、前に出ていた首と顎が正しい位置にきて、首が長くなります。
そして、鎖骨を立てるように胸を下ろします。
鎖骨も、スマホによる猫背のせいで落ち込んでいる人がとても多いです。
「鎖骨美人」
という言葉があるように、鎖骨は女性の美しさを引き出してくれる部位ですし、鎖骨がくっきりしているととっても綺麗ですよね。
そのためには肩を下げて、お腹を引っ込める必要があります。
あとは「胸を前に突き出さない」こと。
姿勢を良くしようと頑張るあまり、胸を突き出してしまう人もよくみかけますが、こうすると身体のアラインメントが崩れて、バランスを取りにくくなってしまうだけでなく、腰痛の原因にもなってしまいます。
この姿勢を維持できるようになると、上半身がさらに引き上がり、バランスも取りやすくなって、しかも首のラインが美しい!という、まさに一石三鳥です。
まとめ
いかがでしたか?
あなたは正しい「引き上げ」が出来ていましたか?
これを機に、普段の生活でも、もちろんバレエのレッスン中もぜひ実践してみてくださいね。
「背中に羽が生えた」と思いこみましょう!笑
軽快で安定したテクニックを手に入れることができるはずです。
もちろん、一日二日やっただけでは身につきません。
日々の「意識」が大切です。
信号を待っているとき、ごはんを食べているとき、ふとしたときにこれを思い出して日々の生活に取り入れてみてください。
そうすれば身体が覚えてくれて、いつの間にか意識しなくてもできるようになっていますよ^^
みなさんが楽に、そして美しく踊れるように応援しています!!
Ayu