みなさんこんにちは!
大人の方にバレエを教えているとき、また私自身が大人クラスに通っていたときにみなさん本当によく悩まれるのが「発表会に出るか出ないか」。
出たい気持ちはあっても勇気が出なかったり、仕事や家事と両立出来るのかが心配だったり、金銭的な心配だったりと、子供さん以上に大人リーナには悩みがたくさんありますよね。
今回は、私の「成人クラスの生徒としての経験」と、「成人クラスを教えている教師としての経験」からバレエの発表会について考えてみたいと思います。
発表会に出るかどうかでお悩みのあなたは、ぜひコチラを参考にしてみてくださいね。
★目次★
バレエの発表会ってどんな感じ?
発表会には大きく分けて3つのタイプがあります。
|
それでは1つずつどんなものなのか説明していきますね。
お教室全体で行うタイプ
最もポピュラーなのがこちら。
1つのお教室から、子供も大人も、普段は教えてくださっている先生までも(これはお教室によります)ほぼ全員が総出となって1つの舞台を作り上げるタイプです。
発表会の構成は、お教室によって特色があって本当に様々ですが、一般的にはこんな感じ。
|
ほとんどのお教室が、これら3つのプログラムを別々又は組み合わせて上演されています。
そして、出演者は教室に通っている人ほぼ全員+男性ゲストという形。
ちなみに日本では男性のバレエ人口が女性に比べて遥かに少ないため、外部から(だいたい先生の知り合い)男性をゲストとして出演していただき、花を添えてもらいます。
もちろん、内部で足りる場合は、内部の男性だけという場合もあります。
一人大体1曲〜4曲ほどを1日で踊ることが多いです。(希望による)
普段頑張って一緒にレッスンをしているメンバーはもちろん、憧れの先生や先輩たちとも一緒に舞台に立てるチャンスです。
分からないことや不安なことも聞けたり、アドバイスをもらえたりするので心強いです。
デメリットとしては、発表会数ヶ月前から行われる合同リハーサルに参加しなくてはいけないので、土日のスケジュールがこのリハーサルで丸々埋め尽くされてしまうかもしれないこと。
「休日もバレエ漬けがいい!」「しっかりバレエの練習をしたい!」という方にはうってつけです。
お教室の中でも「大人限定」で行うタイプ
こちらは、大規模なスタジオが子供と分けて「大人だけの発表会」を行うタイプです。
構成は先ほどの「お教室全体で行うタイプ」とほぼ同じ。
子供がいないので全体の上演時間が短くなる傾向があります。
小品集とヴァリエーションだけを行ったり、全員で一丸となって一つの物語を上演したりと、こちらもスタイルは様々。
ちなみに私が生徒として通っていたスタジオのうち1つでは、こちらが採用されており、ソリスト以上はなんと!オーディションで配役が決まります。
10代から70代までの大人リーナが一丸となって一つの目標に頑張る姿は、お客様から見ても好評だそうです。
メリットは、普段一緒に頑張っているメンバーと助け合って一緒に舞台に出られること。
本番の日だけではなく、リハーサルの時ももちろん助け合いです。
私はレッスンメイトさんが振り付けを覚えるのに苦労していたり、できないテクニックがあったりすると、残って一緒に自習していました。
大人同士なので、お互い様々な状況を乗り越えての発表会。
それを全員が理解してくれているので、安心してリハーサルや本番に臨むことができます。
デメリットは、こちらもやはり合同リハーサルが何度か設けられていること。
ヴァリエーションや小品だけの出演であっても、オープニングやエンディングなど少しだけみんなで踊ったりお辞儀したりする演目が設けられている場合は、振り付けとそのリハーサルも必要になってきます。
リハーサルの回数は、数回だったり、照明合わせ(舞台スタッフさんが来られて、発表会を通しでお見せします)だけだったり、はたまた毎週1回だったり、こちらはスタジオによって様々なので、事前に確認しておきましょう。
様々なお教室から集まって、1つの舞台を作り上げるタイプ
こちらは、発表会というよりは、「フェスティバル」や「コンサート」といった名前が付けられています。
様々なお教室から、様々な大人リーナが集って、自分の作品を踊ります。
作品は、何人かで踊る小品だったり、一人で踊るヴァリエーションだったり、男性と踊るパ・ド・ドゥだったり、みなさん思い思いの作品をそれぞれ踊られます。
練習は自分が通っているスタジオで行って、当日だけ会場に集まるというスタイルなので、(事前リハーサルが1日だけある場合もあります)スケジュールを自分で組みやすいのがメリット。
パ・ド・ドゥを踊る場合でも、パートナーの方とだけリハーサル日を調整すればいいいので、かなり自由がききます。
また、普段通っているスタジオだけでなく、他のスタジオからもたくさん出演されるため、お友達が増えたりする特典もあります。
出演費も、お教室で行われるものよりもはるかに安くで出演できます。
デメリットは、自分のスタジオから出演者が他にいない場合、孤独感を感じるかもしれません。
本番前はただでさえ緊張するので、舞台慣れしていないとちょっと心細いかもしれませんね。
それと、通っているお教室の先生に許可を取らなければならないこと。
無断で出演すると、あとでトラブルになりかねないので注意です。
気になる費用は??
バレエの発表会でとっても気になるのが「どれくらいかかるんだろう?」
これは、お教室によって本当に様々です。
一番安いところでも出演費にだいたい5万円はかかります。
高いところだと2倍以上。
それに、ソロを踊るなら「ヴァリエーション指導料」、パドドゥなら「男性へのギャランティや謝礼」が追加されます。
それ以外に必要なものとして、お衣装代(貸衣装で1着1万円前後〜)、プログラム代(数千円)、写真やDVDを買うならその購入代金(写真は1枚700円前後、DVDは1万円〜)、お教室によっては先生にお礼を渡すこともあります。
あとは、発表会のためにバレエ用品や消耗品を別途揃えるならこちらも必要になってきますね。(メイク用品などは一度揃えれば何年か使えます)
他にも、PTAがあるところならPTAから当日の差し入れ代などを請求される場合や、出演者何人かで会場に飾るお花を負担したり、入場有料発表会の場合はチケットを持たされたりする場合もありますが、こちらもお教室のシステムによって本当にまちまちです。
心配な方は周りの先輩に、「前回いくらくらいかかった?」などと質問してあらかじめの金額を知っておけると安心ですね。
発表会当日はどんな感じ?
発表会は、ほぼ全てのタイプで朝イチから夜まで1日拘束です。
リハーサル含め2日間会場入りするタイプと、1日で全て完結してしまうタイプ。
どちらも流れは似ているのですが、今回は2日間のタイプを中心にお話していきたいと思います。
発表会当日の流れとアドバイス、持っていくと便利なもの
前日リハーサル
2日間会場入りのタイプは本番前日と、本番の2日連続で丸1日会場に篭りっきりになります。
本番前日は、場当たりとリハーサル。
場当たりというのは、音楽をかけないで実際に舞台の上で動いてみること。
普段練習しているスタジオとは広さも形も違う舞台の上で迷子にならないようにするためです。
そして、実際動いてみて振り付けが少し変わってしまうことも。
舞台の上には目印として色付きのテープやライトがあるので、それをしっかり覚えて本番で人とぶつからないようにしたり、体系変化を綺麗に見せたりするのを手助けします。
場当たりが一通り終わったら、リハーサル。
今度は衣装、曲を付けて踊ります。
先ほどの場当たりで覚えた位置を確認する意味もあります。
最初から最後まで通しますが、順番はプログラム通りではないことが多いです。
リハーサルの順番は、事前に先生から伝えてもらえるはずなので、自分の出番までにしっかりウォーミングアップをしておきましょう。
いよいよ本番!
2日目はいよいよ本番です。
朝から楽屋に入ってヘアメイクをします。
大人の方は自分ですることが多いかな。
時間に余裕があったり、慣れている人は、先にウォームアップをしてからメイクをされる方もいらっしゃいます。(この場合でも髪は先に仕上げておきます)
この後リハーサルがあると崩れる可能性があるという理由ですが、普段舞台メイクに慣れていない方は、必ず先にメイクを済ませておくことをおすすめします。
せっかくの晴れ舞台ですから、慌てて「メイクする時間が足りなかった!」なんてことにならないように。。
ウォームアップは、全員一緒にするスタジオと、それぞれ各自でバーレッスンをする場合があります。
いずれにしても、整った床ではなく、ロビーや客席ですることが多いので、「汚れ防止の靴下またはシューズカバー」と「防寒着」をお忘れなく。
シューズカバーはバレエショップやインターネットなどで購入できます。
シューズカバーなしで舞台以外の場所をうろちょろすると、バレエシューズが真っ黒になるだけでなく、床の汚れやワックスがシューズについて滑りやすくなるのでとっても危険です。
コンクールなど大勢が出演する舞台では、マナーが悪くシューズカバーをつけていない人のせいで、舞台の床がツルツルになってしまい、自分もしくは後に踊る人が転倒してしまうのをよく見かけます‥
ほんっとうに怖い。
怪我だけでなく、せっかくの舞台を台無しにしないためにも、シューズカバーは必ずつけるようにしましょう。
特別なものを買うのに抵抗がある方は、古くなった普段用の靴下で代用してもOKです。
あとは防寒着。
ロビーや客席でウォームアップをするとき、とっても冷房が効いていることがよくあります。
身体を冷やしてしまわないようにするためにも、羽織りものとズボンは持っておきましょう。
そうそう、ズボン(パンツ)は楽屋でも大活躍します。
長ズボン(ロングパンツ)であればジャージとか、普段レッスンで着ているものがあればそれで十分です。
タイツに汚れが付くのを防止してくれます。
バレエのタイツはピンクなのでとっても汚れが目立ちやすい上に、普段しないメイクや、タイツを履いたまま食事をしたり、縫い物をすることが多い本番の日には、必ずズボンを履いておきましょう。
汚れや穴あきの防止にとっても役に立ってくれます。
もちろん、バレエ専用のものでもOK。
お好みでチョイスしてください。
話がそれましたが、しっかり汚れ&寒さ対策をしてウォームアップが終わると、リハーサルが始まります。
リハーサルは当日ない場合もあるし(前日ガッツリしているので)、いくつかの演目に絞ってやる場合もあります。
リハーサルがある場合は、しっかりメイクをされてから臨むことをおすすめします。
理由は、「リハーサルも写真を撮ってもらえるから」!
「本番よりもリハーサルの方がうまくいった」なんてのはよくある話で、リハーサルの写真がとてもよく撮れていて購入したいのに「口紅塗ってなくて能面みたいだから買えない‥」という残念な感じに‥
もちろん、「本番の写真しか買わない!」という方はいいのですが、ぜひリハーサルでもちゃんとメイクをして臨んでみてください。
リハーサルが済んだらいよいよ本番です。
本番直前に苦しくならないよう、ここまでの段階でお昼ご飯は済ませておきましょう。
お昼ごはんは、消化の良いものや食べ慣れているものがベスト。
炭水化物派はおにぎり、サンドイッチ、パスタサラダなどなど‥
糖質制限派は卵系やお肉系など。
ただ、舞台前にたくさんお肉を食べるのは注意してくださいね。
ダイエットの記事はまた別で書きますので、よかったら参考にされてくださいね。
本番までの時間は、写真を撮ったり身体のケアをしたり、メイクを直したりして過ごします。
お友達とプレゼントを交換したりする場合も。
だいたい開演前30分には開場されて、お客様が会場に入って来られます。
誰かを招待された方は、お花や差し入れをいただくこともあるかと思います。
なんだかんだでバタバタしてしまうので、開場前までにある程度の準備は済ませておきましょう。
もし、「自分の出番までとっても時間がある」という方は、それまでに済ませてしまえばいいのですが、待っている間に体が冷えないように、しっかり防寒対策をして、ウォームアップもしておきましょう。
リハーサルでしっかり踊った身体は、既にヘトヘトなんていう場合も。
出番までにもう一度ウォーミングアップやバーレッスンをして、しっかり踊れる身体にしてあげてくださいね。
マッサージグッズなんかも持ち込むと便利です。
本番やリハーサルでは照明が当たって暑いし、何より普段と違ってとても緊張してしまいます。
しかもバタバタと忙しくて水分補給する時間が取れない、なんてことも。
本番で脚がつったりしたら大変なので(経験あり)、マッサージや温め、水分補給は欠かさないように気をつけてくださいね。
さてさて、いよいよ本番です。
本番前には、メイク、お衣裳、衣裳の袖(ある場合)、アクセサリー(ある場合)、髪型、髪飾り、靴(結び終わったリボンは2針ほど縫って解けないように)をしっかり確認します。
心配な方はお衣裳も縫っておくと安心です。
男性と組んで踊る場合は、必ず後ろを縫ってくださいね。(事故防止のため)
あとは、今まで頑張ってきた成果を舞台の上で発表するのみ!!
うまくいってもいかなくても、今までの努力の過程が素晴らしい経験になります。
そして、「もっとがんばろう!」という気持ちにも。
舞台の上でキラキラと輝く姿は、子供でも大人でも変わりなく素敵なものです。
あなたも、バレエを習っているからには、ぜひ一度でも発表会に出てキラキラ輝いてみてくださいね!
あなたのバレエライフが素敵なものになることを願って。
Ayu