今回も、前回に引き続き「バレリーナのダイエット〜タンパク質編〜」についてお話していきたいと思います。
前回、前々回の記事を読まれていない方は、ぜひこちらの記事も参考にされてくださいね。
今回は「タンパク質編」ということで、バレリーナの身体作りに欠かせない「タンパク質」についてお話していきます。
バレリーナを夢見るあなたも、ダイエットを成功させたいあなたも、この記事を読んでダイエットに取り入れていただければ嬉しいです。
それでは今日も一緒にお勉強していきましょう!!
★目次★
一日に必要なタンパク質
タンパク質がダンサーの身体に不可欠だということは、あなたももうご存知だと思います。
ダンサーでなくても、人間は「歩く」「食べる」「階段を登る」など、日常生活でも必ず筋肉が必要だし、それを維持してくれるのがタンパク質ですね。
必要なことは皆さんもう知っていると思いますが、ではそのタンパク質を一日どれくらい摂らなければいけないか知っていますか?
答えは↓
・身体機能を維持するために、少なくとも体重1kgあたり0.65g(日本人の食事摂取基準 2020)
・運動して健康な身体をつくりたい方なら、1日で1kgあたり1.4〜2.0g(国際スポーツ栄養学会)
とされています。
バレエはスポーツに近く、運動していると言えるので、二つ目の1.4kg〜2gを参考にすればいいですね。
タンパク質が何g含まれているかを調べるには、ネットでも調べられるし、市販品であれば裏面の表に書いてあるので、計算するときの参考にしてみてください。
計算が面倒臭ければ、ざっくり「自分の体重と同じ量」と考えてO K。
自分が1日どれくらいの量を摂っているのかを、ある程度知っておくことは重要です。
それを基準に、「摂りすぎ」なのか「足りてない」のかをまずチェックしてみましょう。
タンパク質の摂りすぎは絶対だめ
いくら太りにくいと言われるタンパク質でも、摂りすぎには注意です。
タンパク質の摂り過ぎは、やはり太るし、内臓を悪くしてしまいます。
タンパク質は、身体の中で合成と分解を繰り返した後、余分な分が窒素→アンモニアとなり尿として排出されます。
このとき余分なタンパク質が多すぎると、腎臓と肝臓がたくさん働かないといけなくなるため、負担がかかり、内臓疲労を起こしてしまうんです。
ちなみに、ハードなバレエをすることでも肝臓を使っているって知っていましたか?
激しい運動をすると、筋肉と肝臓に溜められている「グリコーゲン」という物質をたくさん使います。
グリコーゲンは糖質をエネルギーに変える役割を担っていて、これが不足するとエネルギーやパワー、運動機能が低下してしまうのです。
つまり、タンパク質の摂り過ぎで肝臓を酷使していると、バレエで本来のパフォーマンスが出せなくなってしまうんです。
「筋肉のために」良かれと思ってたくさんタンパク質を摂った結果、パフォーマンスが落ちるという悪い結果を生み出してしまうんですね。
なので、摂り過ぎは絶対にやめましょう。
普段意識してタンパク質を摂っている方は、まず自分の今の摂取量を知ることから始めてください。
そして、摂り過ぎていたら減らすように心がけてくださいね。
もちろん足りないのもN Gです。
タンパク質が足りていないと、筋肉が落ちていってしまうので、ダンサーには必要不可欠な栄養素です。
ダイエット中だけど、お肉が食べたい
タンパク質も、何でもかんでも摂ればいいってものでもありません。
質のいいタンパク質を摂るなら、赤身のお肉や天然のお魚、卵がおすすめです。
赤い色が強いお肉には、「L-カルニチン」という、脂肪燃焼効果がある栄養素がたくさん含まれています。
ラム肉や牛肉なんかに多いですね。
では鶏肉はどうかというと、鶏肉には「イミダゾールペプチド」という疲労回復に効果がある物質が入っているので、こちらもダンサーにはもってこいですね。
ちなみにこの「イミダゾールペプチド」は、胸肉に多く含まれています。
豚肉は、ビタミンB1が豊富で、こちらも疲労回復に役立ってくれます。
同時に、ビタミンB1は糖質の代謝に必要不可欠な栄養素なので、ダイエットにも最適ですね。
ちなみにビタミンB1は、ニンニクや玉ねぎに含まれている「アリシン」と結合することで疲労回復効果をアップしてくれるので、豚肉を食べる時はぜひ一緒に摂取したい食材です。
ここまで見てきて、思った方もいらっしゃるかもしれません。
ダイエット中なのに、お肉を食べてもいいの?
いいんです。
むしろ食べた方がいいです。
食べ過ぎはダメだけど、「ダイエット中だからお肉は食べない」はよくありません。
お肉に含まれるタンパク質は良質ですし、お肉にしか含まれていない優れた栄養素もたくさんあります。
カルニチンなんかは、他の食材から摂るのは難しい代表例です。
また、お肉を食べて消化するときにもカロリーを消費します。
低カロリーだったり消化の良いもの(例えば豆腐やきのこ、野菜、海藻)ばかり食べていると、「省エネな身体」になってしまい、いざダイエットをやめたら太ります。
適量を守っては欲しいし、毎日食べる必要はないですが、お肉もちゃんと食べましょう。
「バランス」が大切なのです。
もちろん、お魚や卵もいうまでもなくおすすめです。
お魚は、タンパク質だけでなく良質な脂質が豊富ですし、卵もタンパク質含有量が高くてしかも手軽に食べられるのでいいですね。
太る要素が少ないので、ダイエット中は積極的に取り入れて欲しいです。
何よりお肉も、お魚も、卵も、バランスよく適度に食べることが大切ですよ。
プロテインは飲んだ方がいい?
基本的に、食事で足りているのであればあえて飲む必要はないと思います。
食が細い、食事の時間を取るのが難しい、タンパク質が足りてないなどといったときに、サポート的に飲むのはありです。
基本は食事から摂るのがベストです。
例えば、朝食代わりにレッスン前にプロテインを飲んだり、レッスン後に昼食やおやつ代わりに飲んだり。
リハーサルなどで夕食が遅くなって胃がもたれるのが嫌で、食事を摂りたくないときにもいいですね。
ただいつもの食事をしていてダイエットをしなければならないような身体なら、いつもの食事に「置き換え」なければなりません。
いつもの食事+プロテインを追加すれば、間違いなく太ります。
「プロテイン=痩せる」のではありませんよ。
飲む量は、自分の食事内容や量と照らし合わせて調整しましょう。
ではいつ摂るのがいいかというと、望む効果によって異なります。
パフォーマンスをアップしたい、栄養補給としてなら朝や運動前。
筋肉の成長や疲労回復をサポートしたいなら運動後。
でも、あんまりこだわり過ぎる必要はないです。
自分のライフスタイルに合わせてチョイスすればいいと思います。
例えば、「今日はリハーサルが長いから途中(またはリハ終わり)でプロテインを飲もう」とか、「朝ご飯の時間がなかったから、サクッとプロテインにしよう」とか。
よくあるのは、「リハーサル中食事を摂ると動けなくなるから、プロテインにする」ですね。
バレエで身体を目一杯動かすには、お腹いっぱいでは動けないので、こういう選択をしているダンサーは結構たくさんいます。
プロテインはあくまで「サポート」的に上手く活用しましょう。
余分なカロリーや糖質が気になる人は、純粋なアミノ酸サプリメントを活用するのもありです。
品質が良くて、アスリートやトレーナーもよく愛用しているメーカー「ムサシ」。 こちらは、女性に必要なアミノ酸11種類が配合されています。 スティックタイプで持ち歩きやすいので、私もいつもカバンに入れています。 カロリーも低く、レッスン前後にサクッと飲めるのが嬉しいですね。 |
プロテインの種類
参考までに、プロテインの種類について説明しておきますね。
ホエイプロテイン
牛乳に含まれるタンパク質の20%から出来ており、筋肉のエネルギー源となるB C A Aが豊富に含まれています。
消化吸収が早いので、レッスン前後でも飲みやすい特徴があります。
甘めでココアのような味の国産プロテイン。 タンパク質含有量はトップクラスなのに糖質低めの優秀プロテイン。 何より味が良いと評判なので、まずくて続けられないプロテインを心配している方は、こちらがオススメ。 |
カゼインプロテイン
牛乳に含まれるタンパク質の80%から出来ており、ホエイプロテインに比べると吸収は遅いですが、その分持続性があります。
こちらは、私は飲んだことがないので、オススメ商品が紹介できません。
すみません。
ソイプロテイン
大豆から出来ている植物性プロテイン。
消化吸収・分解に時間がかかるので、腹持ちがいいです。
豆乳で割ると相性がよく、カロリーも抑え目なものが多いです。
有名プロテインメーカー「ザバス」のソイプロテイン。 ダイエット向けなので、バレリーナにはぴったりです。 腹持ちもとてもよく、置き換えても辛くありません。 味もダントツに美味しいです。 |
エッグプロテイン
卵の白身から出来ているプロテイン。
吸収はホエイプロテインの次に早いです。
豊富な栄養素を含んでいますが、少し値段が高めです。
ピープロテイン
主にエンドウ豆から出来ている植物性プロテイン。
鉄分やマグネシウムなどのミネラルも豊富に摂取できるので女性にはおすすめ。
ダンサーはミネラルが不足しがちなので、ぜひおすすめしたいプロテインです。
もちろんタンパク質も申し分なく含まれていて、特にB C A Aとアルギニン(ホエイの3倍)が豊富です。
コレステロールや飽和脂肪酸も少ないので、健康的ですね。
消化にもいいので胃にも優しい上、過敏性腸症候群を改善する効果もあります。
私もピープロテインを愛用しています。
アメリカのVegaというメーカーのプロテイン。 なんとMCTオイルやコーヒー成分が配合されていて、ダイエットをサポートしてくれます。 合成着色料、甘味料、追加砂糖も不使用で、さらにグルテンフリーという健康志向。 なのにタンパク質はたくさん含まれています。 腹持ちも抜群で、バレリーナにはうってつけのプロテインです。味もおいしいですよ。 |
プロテインを飲むのが苦手な人には、こういうバータイプもおすすめ。 持ち歩きしやすいし、おいしい! こちらもピープロテインやココナッツが原料で、有機アガベシロップなどで甘みがつけられています。 コンビニなどで売っているものよりもはるかに質も味もいいので、私はオススメしてます。 |
タンパク質の摂り方
タンパク質は、20種類の「アミノ酸」という成分という成分から出来ています。
このアミノ酸は、一日数回に分けて摂るのが最も効率的です。
なので、毎回の食事で「手のひら一つ分」のタンパク質を目安に取り入れましょう。
一気にたくさん摂っても、余分なものとして体外に排出されるだけでなく、冒頭でもお話した「内臓疲労」につながる危険性があるので、なるべく「こまめに」摂るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで見てきて
「ダイエットなのにこんなに食べて本当に大丈夫?」
と思った方も多いのではないでしょうか。
健康的なダイエットをする上で最も大切なポイントは
「自分の適正量を知る」
ことです。
適正量を守っていれば太りすぎることもありません。
特に成長期の高校生卒業くらいまでは、大人の体になる大切な時期なので、無理なダイエットはしない方がいいです。
普段不摂生ならお菓子やコンビニご飯、ジャンクフードをやめて、体に良い食生活に変えるだけでも痩せるはずです。
もちろんときには息抜きも必要ですが、
「今自分の体に何が必要か」
を考えて食べるようにしましょうね。
みなさんがダイエットに成功して、素敵なボディを手に入れられるように応援しています。
Ayu