みなさんこんにちは!
今回は、バレエのとっても基本的な動き「ルルヴェ」についてお話していきたいと思います。
「ルルヴェ」というと、いわゆる「背伸びした状態」だということはもうみなさんご存知だと思います。
ルルヴェは単純で簡単な動きに見えて、実はとっても奥が深いパだってみなさん知っていましたか?
今日はそんな「ルルヴェ」をみなさんと一緒に勉強していきたいと思います。
バレエを始めたばかりの初心者の方から、上級者の方にも一度チェックして欲しいポイントが満載。
ではこれから一緒に見ていきましょう!
★目次★
ルルヴェとは
「ルルヴェ」または「ルルベ」と呼ばれるこの動きは、それぞれのポジションから膝をのばしたまま、またはドゥミプリエから背伸びをしてドゥミ・ポアントで立ちます。
ルルヴェをしっかり行うことで、アキレス腱を鍛えて将来ジャンプへと繋がっていきます。
もちろん、足の指や足の裏など、足全体を鍛える効果もあります。
練習し始めのときは、ドゥミプリエではなく膝を伸ばした状態からのルルヴェを練習して、正しい形を覚えることが大切です。
このとき、同じ速度で上がって、同じ速度で降りてくることを心がけるとよいです。
どこか途中で止まったりすることのないように注意しましょう。
ルルヴェで気をつけるポイント
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では一つずつ詳しく解説していきますね。
ア・テールでまず正しく立つ
ルルヴェをする前提として、ア・テール(足裏が全部床についた状態)で正しく立つ練習をしましょう。
この時点で親指重心になっていたり、土踏まずが落ちていたり、上体が下がっていたりすると、ルルヴェをしたときにもっとひどい状態になります。
アテールでの正しい立ち方については、以前もお話しましたね。
気になる方は、「脚のポジション」の記事を読んでみてくださいね。
こちらでざっとまとめておくと、
股関節からしっかりとアンドゥール 足裏全体で均等に重心をかける 左右の脚に均等に重心をかける 上半身は引き上げる |
この4点は常に意識するようにしましょう。
重心は親指と小指で均等になるように
アテールのときも同じですが、ルルヴェに立ったときも親指重心、小指重心にならないように気をつけます。
アテールのときはたいがい親指重心になりがちなのですが、ルルヴェになると小指重心になりやすく、「カマ足」になりがちです。
鎌足のクセがつくと、美しくないだけでなく、捻挫しやすい足になってしまうので、絶対にダメです。
もちろん親指重心もNG。
外反母趾になったり、足首の内側から膝の内側にかけて負担がかかり痛みが出て、最悪疲労骨折になってしまうこともあります。(私が子供の頃やりました;)
こうならないためにも、アテールで土踏まずをしっかり上げた状態をルルヴェになっても保ち続けることが大切です。
両足でのルルヴェは、両方の足に均等に重心をかける
最初の頃は、必ず両脚でルルヴェを練習します。
みなさんも第1ポジションや第2ポジション、第5ポジションで練習していますよね。
そのときに、アテールのときと同じく、両方の脚に均等に重心がかかっているかを確かめるようにしてください。
人間って、手と同じように「利き足」というものがあって、どちらかの脚が使いやすかったり、強かったりします。
だいたいはその利き足の方に重心がかかりやすくなるので、いつも「両方の脚に均等に体重がかかっているかな?」と確認することが大切です。
重心の位置がわかりにくい人は、
- 「腰骨が床と並行になっていること」
- 「腰の位置が両足のちょうど真ん中にあること」
- 「両足のちょうど真ん中の延長線に頭があること」
を鏡で確認してみると分かりやすいので、ぜひ自分の重心が正しいかどうか、チェックしてみてくださいね。
足の指を伸ばす
経験年数が長くなってもたまに出来ていない人がいるのがこの「足指を伸ばす」こと。
レッスン中はバレエシューズを履いているのでわかりにくいかもしれませんが、指が「カギ」のようになって曲がっている人が結構います。
これでは指を使えないので、ジャンプが飛べなくなるし、トウシューズを履いたときに必ず苦労します。
足の指は第一関節だけ曲げて、あとはしっかり伸びて指全体が床に付いているように気をつけましょう。
ちなみに足の指が曲がった状態でクセがつくと、特に成長期の子供さんの場合「ハンマートウ」(槌指)になってしまう恐れもあります。
ハンマートウは、指がハンマーのような形に曲がっている状態のことを言いますが、ひどくなると指が腫れたり、マメや魚の目ができることもあります。
生まれつきや、きつすぎる靴を履き続けることでも起こってしまいますが、ルルヴェのときに指を曲げるクセも同じです。
練習しはじめの頃から「指を伸ばして立つ」ようにいつも気をつけましょう。
身体をさらに引き上げる
みなさんは、アテールのときもしっかり身体を引き上げて立つように気をつけていると思いますが、ルルヴェではさらに上へ引き上げます。
頭の上から「操り人形」みたいに糸で引っ張り続けられているようなイメージで上へ伸びます。
お腹はしっかり引っ込めて、「肩甲骨から羽が生えている」ことをイメージしながらルルヴェすると引き上がりますよ。
「引き上げ」についてもっと詳しく知りたい方は、コチラの記事を参考にしてくださいね。
身体を揺らさない
プリエからのルルヴェでよくある間違いが「身体を揺らしてしまう」こと。
勢いよくたったあまり、上体がその勢いに耐えられず揺れてしまったり、降りるときに「ドスン」と降りてしまって上体が保てていなかったり‥
ジャンプアップで立つときも、降りるときも、勢いをつけずに丁寧に行いましょう。
そして引き上げがきちんと出来ていると、身体もブレにくくなります。
なので、「引き上げながら」「丁寧に」を心がけるようにするといいですね。
そしてもう一つ大切なのが、「ルルヴェをしたときにつま先の位置を動かさない」こと。
ルルヴェをしたときにポジションから脚が広がってしまったり、狭まってしまったりしないよう気をつけましょう。
もちろん、ポジションに戻るときも、元のポジションの位置に戻ってきてくださいね。
上がりながらアンドゥオール、下がるときもよりアンドゥオールに
初心者の方は特に、ポジションからルルヴェをするとき、かかとが「逃げて」しまって内足になってしまいがちです。
アテールの時のポジションと同じように、かかと同士が「仲良く」お互いの方向を向いているように気をつけましょう。
そのためにはお尻をしっかり締めておくこと。
お尻が開いてしまうと、かかとが逃げてしまいます。
降りるときも同じで、元の綺麗なアテールのポジションに戻るように頑張ります。
例えば第1ポジションならかかと同士がしっかり付いているように、もとのアンドゥオールが緩まないように気をつけましょう。
プリエに降りるときに、先に膝を曲げない
ルルヴェからプリエに降りるとき、かかとが床に着くまで膝を曲げてはいけません。
膝を伸ばしたままのルルヴェアップ&ダウンと同じ要領で、膝を伸ばしたまま床にかかとをつけてから、その後にドゥミプリエを加えます。
クラシックバレエではこの「規則」がどんなパでも守られているため、これはしっかりと身につけておいて欲しいポイントです。
膝が曲がると美しくない上に、脚の筋肉が使えないので、アレグロや大きなジャンプになったときに脚が使えなくなってしまいます。
かかとを床につける
これはとっても重要ポイント!!
ですが、コンクールに出場している生徒さんでも出来ていない人が大勢いる注意ポイントです。
バレエシューズで出来ていても、トウシューズを履いて踊ると出来ていない、という人もたくさんいます。
要は、「半分ルルヴェ」のような状態でプリエに降りているんですね。
これでは足裏を使って床を蹴ることが出来ないし、力もでないので、脚が無意味に疲れてしまう原因になります。
もちろん、このクセがついてしまうと、ジャンプも高く飛べないし、将来怪我につながる可能性もあります。
降りてきたとき(もちろん始める前も!)にしっかりとかかとが床についているか確認しましょう。
バーでしっかりとクセをつけておくと、センターでも、ポアントでも自然とできるようになります。
まとめ
いかがでしたか?
あなたの「ルルヴェ」はどうだったでしょうか?
まずは何か一つだけでも出来そうなことを見つけて、自分のレッスンに取り入れていってみてください。
そしてその一つができたら、また新しいポイントを気をつける。
もちろん2つ3つ一緒に気をつけてもOkです。
大切なのは、少しずつでいいから「続ける」こと。
無理せず自分のペースで少しずつ気をつけていってくださいね。
一つ出来るようになるだけでも大きな進歩です。
それではみなさんが素敵にバレエを踊れるようになることを願って‥
Ayu